「切り口の入れ方/嗅覚の磨き方」

NEW SCHOOL 「5つの都市の断面図」 

2月27日(金)19:00-22:00 zzzpeaker の猛講義 「切り口の入れ方/嗅覚の磨き方」:路上ライブを毎日しているミュージシャン、zzzpeker氏と一緒にどこかで、なにかする方法を考える、実践する。

第4回目のワークショップは、路上を転々としながら活動するミュージシャン・zzzpeakerさんを迎えました。路上ライブやバンド「テコの原理」での演奏のほか、演劇や展示など様々な分野で活躍し、各地を飛び回っている彼による貴重な回となりました。

ワークショップという名の何かは、突如として弾き語りから始まります。

歌うzzzpeaker

Art Center NEWの通路側、半分路上の空間に、歌い始めるzzzpeakerさんの声が響き渡ります。自分で設置した照明、斜めにされた傘立て、テープ、重力を信頼しているのか嘲笑しているのか区別がつかないようなDIY的な造作のなかで、ひねくれたアシッドフォークのような、しかし妙に親しみのある力強い歌声。彼の歌には、何度も聴いた人にも、初めての人にも、毎回違った驚きがあるように思われます。言葉での前置きをスキップして、最初に自分を見せてしまう。それが彼なりのやり方なのだと感じます。

小さな演奏会の後、zzzpeakerさんは路上ライブの演出について、受講者とともに工夫を凝らせないかということを提案してくれました。

フルーツバスケット

手始めにフルーツバスケットで受講者を2つのグループに分けますが、これは通常のゲームとは異なります。住んでいる街やエリア、普段の習慣、入浴の有無、おもしろい体験談、その場で思いついた独り言まで—受講者の私生活を垣間見させ、ある意味残酷な切り口で分類していくのです。(自称都市に見放された)都市のエキスパートであるzzzpeakerさんの豆知識も炸裂します。新宿のとある温泉には、ミネラル豊富でぬるぬるのお風呂があるとか。

最終的に、「綺麗な街が好きな人」と「汚い街が好きな人」という軸で、受講者が2つのグループに分かれました。各グループは路上ライブの方法を考案します。

作戦会議中

都会を急ぐ人々に立ち止まってもらうには、どうしたらよいか。施設の倉庫から引っ張り出してきた様々な素材を使い、小さなテナントを作ったり、パフォーマーを荷台で運んだり、踊ったり、配ったり—各々が路上ライブの限界に挑戦しようとする姿が見られました。

駅前でのゲリラライブが始まります。オーディエンスが徐々に集まるにつれ、パフォーマンスも実験的になっていきます。zzzpeakerさんの歌、偶発的に起きるダンス、各々のインスタレーションの(ほぼ)即興的なコラボレーションは、ある人には若干の邪魔さを、またある人には大きな感動をもたらしていたようでした。

公共スペースは不思議な場所です。空間があるだけなのに、重い圧を感じさせます。しかし今回、無機質に整備された公道、そびえ立つ近代的なビルの数々、そして街を’美しく魅せる’イルミネーション—それらは十人にも満たないパフォーマーに圧倒されていた印象を受けました。


文・Art Center NEW インターン こすがりお+企画・補助 酒井風