2026.10.16 [金]_2026.11.15 [日]
12:00〜20:00 水、木曜休館 一般1000円、大学生800円、高校生以下無料
NEW主催
本企画は、Art Center NEWの藤本一郎と、アナーカ・フェミニストの高島鈴の共同キュレーションによって開催される、ゲームとアートの複合的な展覧会である。
国内外で活躍する遠藤麻衣、大石一貴、清原啓という3人のアーティストがビデオゲームをやりこみ、そのテーマやルール、制作背景などを読み解き、作品へと翻訳したゲーム×アートのコラボレーションブースを中心に、『Milk inside a bag of milk outside a bag of milk』のNikita Kryukov、『Behind Every Great One 』のDeconstructeam、『フェミニスト、ゲームやってる』の著者であり、美術史家・アーティストとして活動する近藤銀河、そして、アクセシビリティツールと作品の境界を問う実践で国際的に活動するFinnegan Shannonが参加する。
活動領域の異なる本展参加者たちは、「アクセス」という概念の2つの側面を、鑑賞/プレイを通じて体験させることで連帯している。すなわち、作品/ゲーム自体が、ある現実や知識へのアクセスを可能にする道具となること、それと同時に、歴史や社会の構造的障壁によって、ある人々の選択=アクセス可能性が妨げられているとき、それを露わにする分析の道具にもなること。こうした2つの実践を通じて、アーティストやゲーム開発者たちは繋がり合ってあっている。
本展出品ゲーム『Citizen Sleeper』のイラストレーションを担当したフランスの漫画家Guillaume Singelinが手がけるメインビジュアルは、市場原理と国家、2つの巨大な暴力が私たちを取り巻く現代において、模索可能な小さな連帯・連なりの在り方を描き出しており、展覧会の核となるコンセプトを象徴している。
会期:2026年10月16日(金)〜 11月15日(日)12:00〜20:00 水、木曜休館
会場:Art Center NEW(横浜・みなとみらい線「新高島」駅B1F)
入場料:一般1000円、大学生800円、高校生以下無料、※身体障害者手帳・愛の手帳・療育手帳・精神障害者保健福祉手帳・被爆者健康手帳をお持ちの方とその介護者2名までは無料(ミライロID含む)。
参加アーティスト、遠藤麻衣、大石一貴、清原啓、Finnegan Shannon
参加ゲーム開発者:Love Conquers All Games、Deconstructeam、Jump Over The Age、近藤銀河、Nikita Kryukov
音楽:Nikita Kryukov、EYEGUYS、sdhizumi、藤本一郎
アクセシビリティ・イラスト:npckc
メインビジュアル:Guillaume Singelin
主催:一般社団法人Ongoing
共催:横浜市にぎわいスポーツ文化局
助成:神奈川県マグカル展開促進補助金、公益財団法人野村財団
企画:藤本一郎
共同企画:高島鈴
10月16日(金)18:00–20:00
オープニングパーティ
ご来場の皆さまに、お好きなドリンクを1杯無料でご提供いたします。
※どなたでもご参加いただけます。
10月25日(日)18:00–20:00
トークイベント「ゲームとアートの交点をさぐる」
出品作家の遠藤麻衣、大石一貴、清原啓と、企画者の藤本一郎によるトークイベント。
展覧会入場料金でご入場いただけます。
ほか、順次HPまたはSNSにて随時更新します。
アーティストがビデオゲームを実際にプレイし、そのテーマやルール、制作背景などを読み解き、作品へと翻訳しました。
【 遠藤麻衣 × Analogue: A Hate Story 】

遠藤麻衣
身体の政治性を主題に他者との共同作業を通じて作品を制作する。クィア・フェミニズム理論における「受動性」や「失敗」をパフォーマンスや映像で実践し、人間/非人間らの関係性を再創造している。近年は、1970年代以降のニューヨークにおける非制度的タイムベースド・アートをアーカイブするFranklin Furnaceのリサーチャーとして調査、執筆、展覧会を実施。また、戦後を起点とした日本のストリップショー文化を再解釈し、踊り子の宇佐美なつとともにパフォーマンス映像《オメガとアルファのリチュアル》(2024)を国立西洋美術館で発表。2018年より、丸山美佳と「Multiple Spirits(マルスピ)」の出版を継続。

Analogue: A Hate Story
(Love Conquers All Games ,2012)
死者が遺したログを読み解き、漂流する宇宙船ムグンファで何が起こったのかを明らかにするSFゲーム。家父長制度や婚姻制度をハッキングしてコードを書き換え、歴史のなかで沈黙させられてきた女性たちの声と、その抑圧を生み出した社会制度を浮かび上がらせる。
【 大石一貴 × The Cosmic Wheel Sisterhood 】

大石一貴
彫刻的視点をベースに、物質と非物質のいずれにも定まらない領域を、出来事として発生させる作品を制作する。人の経験の断片的なシンクロと、それを呼び起こすような物理的事象に着目し、焼成していない粘土による彫刻やインスタレーション、映像、詩、パフォーマンスなど、複数のメディアを横断しながら制作・発表を行っている。主な個展に、’26年「光]でもってすべて見)つくす、音)とどくとも。)」照恩寺、’24年「開発の再開発 vol.7 大石一貴|消滅Ⅱ」gallery αM、’23年「石と文字」秋川河川敷某所、’23年「Voyager is with you」Art Center Ongoing、’22年「For instance, Humidity」sandwich.gallery CFP。
また、’24年より出版レーベル「Chop the Light Publications」の運営を開始し、アーカイブの可能性を広げるためのアートブックの制作を行っている。
(撮影:コムラマイ)

The Cosmic Wheel Sisterhood
(Deconstructeam, 2023)
プレイヤーは小惑星に流刑となった占い師の魔女フォルトゥーナとなり、宇宙の魔女社会の運命を左右していく。タロットカードを自らつくり、他者の未来を占う選択を重ねながら、意志や選択、そしてその結果を引き受けることの意味を問いかける。
【 清原啓 × Citizen Sleeper 】

清原啓
突発的に起こる見知らぬ人との関わりや出会い、逸脱行為などを記憶とメモ、スケッチを使用して絵画の形で制作している。近年は、お金を稼ぎ、物やサービスを購入し、消費するという経済的な生活を送るなかで生じてくる、人々の態度のおかしさ、歪さを軸に描く。誰でも持ち帰ることができるユニクロおよびGUの古着の山と、街で同2ブランドを買い求める人々をユニクロ、GUの製品に描いた《お買い物》シリーズ(2025)や不用品を支持体とした作品のみを展示し、素材と値段を明記した個展「ごみに走れば」(2026)がある。

Citizen Sleeper
(Jump Over The Age, 2022)
企業と資本主義が宇宙を覆う未来、企業の束縛から逃れ、辺境の宇宙ステーションに流れ着いた労働者として生きるSF RPG。限られた時間と資源をやりくりしながら、働き、人々と関係を築き、資本主義のなかで生き延びるための工夫と連帯、その先にある自由のあり方を問いかける。
【 アート作品展示 】

Finnegan Shannon《Time travel with me》
フィネガン・シャノンは、さまざまな「アクセス」のあり方を探求するアーティストである。
近年の主な活動として、ボヤナ・コクリャットとの共同プロジェクトで、画像を言葉で説明することの表現としての可能性を探る《Alt Text as Poetry》、展覧会場のためにデザインされたベンチやクッションのシリーズ《Do You Want Us Here or Not》、そして休息と遊びを優先し、ベルトコンベアを中心に構成された展覧会《Don’t mind if I do》などがある。
これまでに、Wynn Newhouse Award、Eyebeam Fellowship、Disability Futures Fellowship、United States Artists Fellowshipを受賞・採択したほか、Art Matters Foundation、Canada Council for the Arts、Disability Visibility Projectから助成を受けている。
本展では、展覧会全体の視覚情報を言葉にし、録音する音声作品『Time travel with me』(Finnegan Shannon, 2022)を再構成して展示する。
【 ゲーム作品展示 】

Trace of Queer
(近藤銀河, 2026)
作者と同じ車椅子の主人公が、公共空間や美術の歴史の中で消されたクィアな痕跡を辿っていくゲーム。主人公は歴史から消された無念から生まれた生霊と語り合ったり、はたまた時には自身を生霊に変え、クィアな痕跡を現実とデジタル空間の中に探していく。

近藤銀河
1992年生まれ。アーティスト、美術史家、パンセクシュアル。中学の頃にME/CFSという病気を発症、以降車いすで生活。主に現代から見て女性同性愛的と見える西洋美術を研究するかたわら、ゲームエンジンやCGを用いてセクシュアリティをテーマにした作品を発表する。ライターとして雑誌「現代思想」「SFマガジン」「文藝」などへ寄稿多数。共著に、『われらはすでに共にある─反トランス差別ブックレット』(現代書館、2023)、『SF作家はこう考える』(社会評論社、2024)、『はじめての百合スタディーズ』(太田出版、2026)など。単著『フェミニスト、ゲームやってる』(晶文社、2024)は2024年度紀伊国屋じんぶん大賞に入賞。
アーティストとして、カクバリズムのTill Yawuhさんのアルバム「Still Sounds」ジャケットを担当し、Vtuberの温泉マークさんの「ねんねんころり」のMVを担当。

Milk inside a bag of milk inside a bag of milk
(Nikita Kryukov, 2020)
Milk outside a bag of milk outside a bag of milk
(Nikita Kryukov, 2021)
牛乳を買いに出かけたひとりの少女の、不安定に揺れ動く知覚と内面を描いた2作のビジュアルノベル。プレイヤーは少女との対話を重ね、現実と想像が入り混じる世界をともに進みながら、日常のほんの些細なことが、誰かにとってはどれほど大きな困難になりうるのかを体験する。

Behind Every Great One
(Deconstructeam, 2019)
成功を収めた芸術家ガブリエルの妻ヴィクトリーヌ。芸術家を支えるための家事労働をこなし、彼の創作と生活を陰で支える日々を送る。料理、掃除、などの日常を繰り返しながら、「偉大な芸術家」の成功の背後で見えなくなっているケアや家事労働、そして夫婦の不均衡な関係を描き出す。
Main Visual:Guillaume Singelin
Music:sdhizumi、EYEGUYS、Nikita Kryukov、Ichiro Fujimoto
Accessibility Illustration:npckc
Exhibition Installation:Atsushi Adachi
Design:Haruna Harashima

