2026.11.20 [金] _ 11.24 [火]
12:00〜20:00 入場無料(イベント参加のみ有料)
NEW主催
Art Center NEWでは5日間の特別企画として、増山士郎の回顧展「世界の果てで、動物と対話する」を開催いたします。
増山は世界各地のアーティスト・イン・レジデンスを渡り歩きながら、現地の人々を巻き込んだ、場に根ざしたプロジェクトを展開してきました。ダブリンのアイルランド近代美術館、そして2009年にベルファストのFlax Art Studiosでレジデンス滞在したことをきっかけに、2010年からは、紛争の影響が今も残る英国・北アイルランドで、唯一の在住日本人ビジュアル・アーティストとして活動を続けています。
本回顧展では、増山の多様な活動の中でもとりわけ人気の高い、「動物」をテーマに世界各地で実現した作品群に焦点を当てます。
増山は2011年の東日本大震災以降、世界で急速に進むグローバリゼーションや、日本や西欧における現代の生活様式に深い疑問を抱くようになりました。そこで、世界各地の現地の人々と動物を巻き込みながら、消費主義の広がりによって衰退しつつある伝統的な動物繊維の技術を用いて、アイルランドの羊(2012)、ペルーのアルパカ(2014)、モンゴルのラクダ(2015)、北極圏(米国アラスカ、グリーンランド)のジャコウウシ(2023)による4つのシリーズ作品「Self Sufficient Life」を実現しました。
本展では、「札幌国際芸術祭SIAF2024」の公募プロジェクトの一環として札幌のCAI03で開催され好評を得た同名の個展でも披露した、「Self Sufficient Life」の4作と、アイルランドのハエ(2016)、タイの鶏(2017)、キプロスのロバ(2022)、インドの象(2023)の計8作品に加え、日本初公開となる2作品を展示します。ヨーロッパでは流通していない猫用の嗜好品・またたびを、北アイルランドとウィーンの市場で布教すべく行商したプロジェクト「またたび」(2024)と、フランスでトリュフ探しのために訓練される伝統的な豚と現代的な犬を比較する2チャンネル・ビデオ作品「並行する過去と現在——トリュフを探して」(2026)です。合計10作品を一堂に披露します。
動物という、多くの観客にとって親しみやすいモチーフを扱いながらも、作品には各国の社会情勢への鋭い視点や、現代に生きる私たちへの問いかけが込められており、示唆に富んだ展覧会となるでしょう。
会期中の11月21日(土)には、長年にわたり増山の展覧会評を書いてきた評論家・福住廉氏との対談を開催します。
また本展にあわせて、過去24年間・世界42か所におよぶアーティスト・イン・レジデンスの滞在記をまとめた自叙伝を出版予定です。11月22日(日)には、本書の編集を担当したArt-Phil/monade contemporary|単子現代のF.アツミ氏との対談による出版記念イベントも開催します。
2つの対談を除き、展覧会は入場無料です。ぜひ多くの皆さまにお越しいただければ幸いです。
写真:「並行する過去と現在 — トリュフを探して」ペリゴール、フランス(2026)
会期|2026年11月20日(金)〜 11月24日(火)
時間|12:00〜20:00 ※入場は閉館の30分前まで
会場|Art Center NEW(横浜市西区みなとみらい 5-1 新高島駅地下1階)
入場料|無料 (会期中の2つのイベントのみ有料です)
主催|一般社団法人Ongoing
助成|グレイトブリテン・ササカワ財団、The Axis Artist Award、The Arts Council of Northern Ireland、朝日新聞文化財団
設営協力|ヒロセ・ガイ(京島駅)
オープニングレセプション
日時|11月20日(金) 17:30〜
参加費|無料 ※ドリンクは有料になります。
評論家トーク
長年にわたり増山の展覧会批評を書いてきた評論家・福住廉氏と増山士郎による対談を開催します。
日時|11月21日(土)15:00〜16:00
定員|50名(予約不要・先着順)
参加費|1,000円
※対談は日本語のみで行われます。
出版記念トーク
書籍『世界中のアーティスト・イン・レジデンスでつくる増山士郎のAIR滞在記 2002〜2026』出版イベント。編集を担当したArt-PhilのF.アツミ氏と増山士郎による対談。
日時|11月22日(日)15:00〜16:00
定員| 50名(予約不要・先着順)
参加費|1,000円
※対談は日本語のみで行われます。
ゲスト・プロフィール

福住廉(ふくずみ・れん)
美術評論家。著書に「今日の限界芸術」(BankART1929、2008年)、共著に「ビエンナーレの現在」(青弓社、2010年)、「日本美術全集第19巻」(小学館、2015年)、鴻池朋子「どうぶつのことば」(羽鳥書店、2017年)など。企画展に「今日の限界芸術百選」(まつだい「農舞台」ギャラリー、2015年)など。現在、秋田公立美術大学大学院複合芸術研究科准教授。同研究科機関誌「TRANS」編集長。

F.アツミ / F. Atsumi
クリエーション・ユニット Art-Phil、アート・ギャラリー/イベント・スペース monade contemporary|単子現代。都市経営修士。編集/批評を通してアート・哲学・社会の視点から多様なコミュニケーション一般のあり方を探求するとともに、キュレーター/アートマネジャー/ギャラリストとして現在の状況に応答するための展示活動を行っている。